一川、山岡両氏だけではない 政権を道連れに
2011.12.23 22:22 [野田内閣]産経ニュース
野田佳彦首相はなお、参院で問責決議を受けた一川保夫防衛相、山岡賢次国家公安委員長の更迭を渋っているが、問題閣僚は2人だけではない。
1月23日召集予定の通常国会は平成24年度予算案に加え、予算関連法案や消費税増税法案など、首相が「不退転の決意」を示す重要法案のオンパレード。自民、公明両党は早期の衆院解散にむけ、正面対決を挑む決意を固めており、国会論戦はヒートアップすることは間違いない。問題閣僚を一掃する大幅改造に踏み切らない限り、国会は紛糾し、すでに4割を切った内閣支持率はさらに急落する公算が大きい。そうなれば、民主党内の不満が鬱積(うっせき)し、政権は内部崩壊しかねない。
山岡国家公安委員長 「マルチ」な活動裏目
マルチ商法業界との深い関係を次々に暴露され、問責決議を受けた山岡賢次国家公安委員長の頭に反省の二文字はない。10月の衆院消費者問題特別委員会ではマルチ業界との会合で自ら「マルチの山岡」と名乗った過去を暴かれたが、余裕たっぷりにこう答えた。
「意味が違います。何でもできるマルチ人間という意味です…」
19日の北朝鮮の金正日総書記死去に際しても、警察機構トップの立場で、政府の安全保障会議を欠席する失態を犯した。しかも秘書官ら事務方に責任転嫁し、22日の記者会見で事実関係をただされると「事務方から聞いた事実をそのまま述べた。(責任転嫁の)事実はない!」と開き直った。
この傲岸不遜な対応では、来年の通常国会でも野党の格好の餌食となるのは確実だ。問責決議案の採決を棄権した社民党も「問責は参院の意思であり、早く代えるべきだ」(福島瑞穂党首)と更迭を求めるようになった。
野田佳彦首相がこれ以上山岡氏をかばうならば、任命責任を問われるだけでなく、首相自身が官僚機構にそっぽを向かれかねない。
一川防衛相 存在感が「ステルス」
「今年は私にとって思い出のある年ですから…」
22日の記者会見でこう切り出した一川保夫防衛相は、次期主力戦闘機(FX)決定や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣などを手柄として列挙し「さらに国民から愛される自衛隊として軌道に乗せていきたい」と抱負を語った。参院で問責決議を受けたことへの自責の念はうかがえない。
だが、数々の失言と判断ミス、部下への責任転嫁により、防衛省職員や自衛隊員の心はすっかり離れてしまった。すでに重要案件の相談はことごとく「影の防衛相」といわれる北沢俊美前防衛相に持ち込まれており、一川氏はF35以上に「ステルス」的な存在となっている。
PKO派遣命令を出し、FXを決定した20日、一川氏は歌手の長渕剛さんを防衛省に招き感謝状を渡し、満面の笑みで記念撮影に応じた。北朝鮮の金正日総書記の死去を受け、自衛隊は監視態勢を強化し、ピリピリした緊張感が張り詰めていたが、一川氏には「どこ吹く風」なのだ。
27日には米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設先に関する環境影響評価書を提出する。ある防衛省幹部はこうつぶやいた。
「評価書提出でお役ご免になってくれれば…」
蓮舫行政刷新相 「仕分けの女王」転落
「消えた年金記録問題もこの2年で生まれたものではない。これまで先送りしてきた問題に私たちは向かい合わないといけない」
19日の東京・JR新橋駅前。幻となった野田佳彦首相の街頭演説の前座として街宣車に立った蓮舫行政刷新担当相は、政権交代後の失政を自民党に責任転嫁したが、拍手代わりに起きたのはヤジの嵐だった。
「蓮舫を仕分けしろ!」「国民をなめるな!」「さっさと解散しろ!」-。野党時代から舌鋒(ぜっぽう)鋭く、政権交代の牽引(けんいん)車となった「仕分けの女王」もすっかり色あせてしまった。
スーパーコンピューター「京」の仕分けで「どうして2番ではダメなんですか」の一言を批判されたのがケチのつき始め。せっかく仕分けた事業は次々に復活し、政治ショーだったことがばれてしまったが、これを覆す力量はない。
21日には診療報酬のプラス改定が決まり、返り咲きに向け意気込んだ「提言型の政策仕分け」も踏みにじられた。自らが温めてきた独立行政法人改革も民主党行政改革調査会が議論を優先することになり、年末までの策定を目指した改革案は先送りされた。
スキャンダルも次々に発覚。先の国会では脱税事件で逮捕歴のある男性と食事をしたり、祭りに出かけた「不適切な交際」も発覚。引き際を考えた方が幸せかもしれない。
来年の通常国会もまた、こういう大臣たちを相手に批判を繰り返しながら進めていかなければならないのか?(ため息)
一川氏と山岡氏に関しては、参議院では一切審議に応じませんが。
なんだか、もううんざりです。
もう少し建設的な審議が出来るよう、適任者を任命していただきたい。
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一川、山岡両氏だけではない 政権を道連れに
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