浅田真央が2年ぶり3回転半
2013年2月10日 中日スポーツ紙面から
◇フィギュアスケート四大陸選手権<第2日>
浅田真央(22)=中京大=が2011年2月の四大陸選手権フリー以来、2年ぶりにトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功。74・49点と10年バンクーバー五輪以降では世界最高点で首位発進を決めた。
鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=は、ほぼノーミスの演技で今季自己ベストの65・65点で2位。村上佳菜子(18)=中京大中京=も完璧な演技を見せ、自己ベストの64・04点で3位とし、日本勢がトップ3を独占した。
跳んだ。決めた。2年ぶりとなるトリプルアクセル。着氷と同時に大歓声と拍手を送った観客が成功の証言者だった。演技を終えた浅田は自らも手をたたき、両手を力強く握った。
「ガッツポーズは出したくなかったけど、うれしくて。自分で拍手したんですけど、それだけじゃ足りなくてやってしまいました。今できる最高のレベルで滑れたのでうれしいです」
苦悩と我慢が実を結んだ。小学生時代から高い成功率を誇り、代名詞とも言われた3回転半。しかし、バンクーバー五輪のころから思うように跳べなくなった。「苦しかった」。最後に決めたのは11年の四大陸選手権。昨季は1度も成功できなかった。
今季は跳びたい気持ちを抑え込んだ。3回転半の練習量は以前までの5分の1。全体の完成度を高めるため、ほかのジャンプに時間を費やした。
むろん、葛藤はあった。象徴的だったのが昨年末の全日本選手権。「跳びたかった」。それでも佐藤信夫コーチ(71)に止められた。「曲の中で練習しないと挑戦できない」。断念しての優勝。心から喜べなかった。
だから、年明けは毎日曲を流して滑り込んだ。そしてこの日。「守りに入らないように」。佐藤コーチの言葉に背を押されて臨んだ舞台で躍動した。74・49点は自己ベストの75・84点に次ぐ高得点。3回転半以外もミスはなく、文字通り最高の演技を見せた。
「トリプルアクセルはずっと練習してなかったことで、悪い癖が消えた。以前よりも質も良くなってますし、オリンピックの時よりもさらに良くなっていると思うので、これを自信につなげていきたいです」
3月には世界選手権(カナダ)が控える。ソチ五輪までも1年を切った。まずは10日のフリー。進化した代名詞を備え、浅田が再び跳ぶ。(高橋雅人)
本当に嬉しそうなガッツポーズ、、、見ている私達まで幸せにしてくれる最高の笑顔でした。
葛藤・苦悩があっての成功。
こういう姿に沢山のことを学びますね。
さあ、今日も頑張れ真央ちゃん!!
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真央ちゃんが跳んだ!
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