前回の記事でもご紹介しましたが、パナマ文書に関する報道が世界で一大騒動になっています。
すでにアイスランドの首相は辞任し、ほかにも疑惑を向けられている政治家・企業・有名人の名前が続々とあがっています。
今回問題になっているのは、法律の抜け穴を利用した「節税」です。
残念ながら、現在の枠組みでは、パナマのようなタックスヘイブン(外国資本の獲得のために、意図的に税率を低くしている国や地域)に実態のないペーパーカンパニーを設立して税金を安くしても、必ずしも違法とはいえません。
でも、今一度考えてみて欲しいのです。
パナマをはじめとするタックスヘイブンでそのような租税回避行動が出来るのは、世界で数パーセントしかいない、ほんのわずかな富裕層だけです。
その国に支払われるべき税金が消えた分、普通の人、貧困にあえぐ人々にしわよせがくるのです。
平成26年3月19日に、JALの法人税減免問題やグローバル企業による租税回避についての問題を提起させていただいた際にも申し上げましたが、租税回避の行きつく先は、まさに「グローバル企業栄えて国滅ぶ」という世界です。
そこにあるのは徹底した弱肉強食の原理であり、どんな手段を用いてもより稼いだ方が称えられる世界です。
政治家として、こんな世の中だけは作ってはいけない。
私は、強い者は、弱い者のために働かなければならないと思っています。
国内であれば、より稼いだ企業が税を納めることによって国を支えなければならない。
そして世界では、強い国が弱い国を助けなければならない。
「税のゆがみは国家のゆがみ」で、国を率いる政治家までが租税回避に手をそめていけば、いつか国家は滅びてしまいます。
租税回避がなくなる仕組みを真剣に考えていきたいと思います。
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パナマ文書(2)
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