田中防衛相 「さらなる研鑽」も防衛政策への悪影響増す
2012.3.17 07:57産経ニュース
田中直紀防衛相の不安定な答弁ぶりが収まらない。16日の衆院安全保障委員会でも、みっちりと官僚の事前レクチャーを受けたはずが、しどろもどろな答弁に終始した。委員会直前には、北朝鮮が「衛星」打ち上げを予告。日本周辺の安全保障環境を脅かす事態となったが、その姿勢からは「国防を預かる責任者」としての風格はみじんも感じられなかった。(峯匡孝)
「粉骨砕身、誠心誠意、質疑に答えていきたい。さらなる研鑽(けんさん)を積んで、納得していただける答弁が果たせるように努力したい。今日は(安保)委員会も始まるので、さらなる努力をしていきたい」
田中氏は16日の閣議後記者会見で自身の不適格な答弁が野党の批判を招いていることを記者団に問われ、こう強調した。今後の答弁で野党の信頼を得られるよう努める決意を示したわけだが、委員会が始まるとその勢いは早々に吹き飛んだ。
自民党の中谷元・元防衛庁長官に、南西諸島を第1列島線として米軍を迎え撃つ中国の「接近阻止・領域拒否」(A2AD)戦略の意味を問われると、「中国のいわゆる海洋進出で…」と、のっけからしどろもどろな答弁に。秘書官に渡された資料を棒読みして何とかその場をしのいだが、次の質問には、隣で心配そうに見つめていた玄葉光一郎外相が代わって答弁に立った。
中国のA2AD戦略は、米国が打ち出した新国防戦略と密接に絡み、日本の南西諸島の防衛強化に直結する重要事項。「追及が生ぬるい」(自民党参院幹部)と評される衆院の審議だからこの程度の追及で済んだが、元陸上自衛官の佐藤正久氏(自民党)らが控える参院では、失言や珍答弁を繰り返し深手を負い続けてきた。
防衛省は、米軍再編計画の見直しについて米政府と協議を続けるが、玄葉氏ら外務省サイドに主導権を握られている。北朝鮮による衛星打ち上げや、次期主力戦闘機(FX)の正式契約、イランによるホルムズ海峡封鎖危機など防衛相として対処しなければならない課題が山積している中で、田中氏の頼りなさに嘆く防衛省職員は少なくない。
省内の一部からは「田中氏では防衛省が持たない。平成24年度予算案が成立したぐらいが辞任のタイミングだ」と半ば公然と交代を求める声も上がっている。
参議院予算委員会でも、田中大臣のデタラメ答弁で何度審議が中断したか。
質問の途中で休憩をはさみ、レクチャーの時間を作ってあげたのも2度。
こんなことで、自衛隊の皆様やご家族はどんな思いであろうか。
近隣諸外国はどういう思いで我が国を見ているのだろうか。(ため息)
田中大臣も責任あるが、1番重いのは総理の任命責任だ。
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論外
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