今日(11月23日)は、勤労感謝の日です。
勤労感謝の日は、戦後、国民の祝日が定められた時に、「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨で定められました。
しかしその一方で、勤労感謝の日である11月23日には、我が国の古来より伝わる重要な行事があることを皆さまはご存じでしょうか。
古来より伝わる重要な行事とは、新嘗祭(にいなめさい)のことです。
新嘗祭は、宮中三殿の近くにある神嘉殿(しんかでん)で、祭祀を司る天皇が国民を代表して、土地からの作物の恵みに感謝をこめて、天照大神をはじめとする天地の神々(八百万の神)に奉るとともに、御自らも召し上がるという行事です。
今では、余り見られなくなったそうですが、新嘗祭までは新米を口にしないと言う風習が残っているところもあるそうです。(もちろん陛下も)
新嘗祭の歴史ですが、古くは日本書紀に皇極天皇元年(642)11月16日に新嘗祭の記述があり、その年の収穫物は国家として次の一年を養う大切な備えになることから、現代風に言えば、食糧安全保障の観点からも大事な行事として執り行われてきたわけです。
ところが、昨年、天皇陛下が体調を崩され(11月6日に気管支炎で東大病院に入院)、ご欠席せざるを得なかった新嘗祭を直前に控えた11月11日に、野田政権は国内の反対論を押し切り、TPP交渉参加の為の協議の開始を表明し、今年は更に、総選挙の争点にしようとしているのです。
私は、天皇が1400年もの間、国家国民の為に五穀の豊穣に感謝し、代々祈り続けてきた、その対象である稲作文明を後代に維持・発展させていくべきだと考えます。
これを機に、新嘗祭からTPPを考えてみるのも良いかもしれませんね。
↧
新嘗祭(にいなめさい)
↧